2022-01-11
不動産売却では1千万円単位の収入が発生するケースも珍しくないため「どれくらいの税金が発生するのだろう」と心配に思う方が多いようです。
発生する税金をあらかじめ把握しておかないと「思ったよりも手元に残らなかった」と後悔することにもなりかねません。
そこで今回は、不動産売却でかかる税金のなかでも高額になる可能性がある「譲渡所得税」を中心に、その他の税金の種類も含めてご紹介します。
埼玉県秩父地域を主に埼玉県北部エリアで不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
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不動産売却でかかる税金のうち、もっとも高額になる可能性があるのが「譲渡所得税」です。
ここでは譲渡所得税の概要と、計算方法を解説します。
譲渡所得税とは、不動産売却で発生した利益である「譲渡所得」に対してかかる所得税・住民税・復興特別所得税の3つの税金を総称する言葉です。
これら3種の税金は、あわせて計算されることが多いため、まとめて「譲渡所得税」と呼ばれています。
それぞれどのような税金かを押さえておきましょう。
所得税
所得税は、不動産売却で発生した譲渡所得をはじめ、給与所得など個人の所得全般に対してかかる税金です。
住民税
住民税は、都道府県や市区町村に対して納める地方税です。
復興特別所得税
東日本大震災からの復興のために必要とされる財源を確保する目的で、2013年1月1日から2037年12月31日までに発生した所得に対して課される税金です。
それでは譲渡所得税の計算方法をチェックしましょう。
まずは課税譲渡所得を算出する
譲渡所得税は、不動産売却で得た利益である「譲渡所得」に課税されることから、まずは以下の計算式で課税譲渡所得を求めます。
・譲渡所得=①売却価格-(②取得費+③譲渡費用)
①売却価格:売買契約書に記載された不動産を売却した価格
②取得費:売却した不動産を取得した際にかかった建築費や仲介手数料などの費用の合計から、建物の減価償却分を差し引いた金額
③譲渡費用:不動産を売却したときにかかった仲介手数料や測量費、解体費などの費用の総額
たとえば15年前に取得費2,800万円で取得した不動産を、譲渡費用500万円かけて3,800万円で売却した場合、課税譲渡所得は以下のように計算します。
・譲渡所得=3,800万円-(2,800万円+500万円)=500万円
上記のケースでは、課税譲渡所得は500万円と算出されました。
課税譲渡所得に譲渡所得税率を掛けて譲渡所得税を算出する
譲渡所得税は、上記の計算式で算出した課税譲渡所得に、不動産を売却した年の1月1日時点の所有期間に応じた以下の譲渡所得税率を掛けて求めます。
【短期譲渡所得】(売却した年の1月1日時点での所有期間が5年以下の場合)
所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
【長期譲渡所得】(売却した年の1月1日時点での所有期間が5年超の場合)
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%
先ほどご紹介した例では、所有期間が15年となるため長期譲渡所得に該当するため、税率は20.315%として課税譲渡所得税を計算します。
・譲渡所得税=500万円×20.315%=101万5,750円
この例では、納める譲渡所得税は101万5,750円になります。
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不動産売却後に譲渡所得を計算して、譲渡益があるときと譲渡損失が出たときの税金の扱い方をご紹介します。
譲渡所得を計算してプラスになったときには「譲渡益」が出たといいます。
譲渡益が出たときには譲渡所得税を納める必要がありますが、売却したのがマイホームだった場合には以下のような控除の特例が用意されています。
居住用財産の3,000万円特別控除
売却したのがマイホームだった場合、一定の条件を満たすことで譲渡所得から3,000万円まで控除を受けられる特例です。
居住用財産の売却による軽減税率の特例
マイホームの所有期間が譲渡した年の1月1日時点で10年を超えている場合、課税譲渡所得のうち6,000万円まで譲渡所得税率が以下のように軽減される特例です。
課税譲渡所得のうち6,000万円以内:14.21%
課税譲渡所得のうち6,000万円超:20.315%
※軽減税率の特例は、3,000万円特別控除まで併用が可能です。
・居住用財産の買換え特例
マイホームの買い替えで、買い替えたマイホームの取得金額が売却益を上回る場合、一定の条件を満たすことで売却益に対する課税を繰り延べられる特例です。
・空き家に係る譲渡取得の特別控除
相続した空き家を取り壊し、もしくは耐震リフォーム後に売却した場合、一定の条件を満たすことで3,000万円の特別控除を受けられる特例です。
いずれも対象となると大幅に節税できるので、該当しないか確認するようにしましょう。
売却したものの、譲渡所得を計算したらマイナスになり譲渡損失が出た場合には、一定の条件を満たすことで給与所得などと相殺できる「損益通算」が可能です。
損益通算すると、全体的な所得を減らせるので所得税や住民税を減税できます。
売却した年だけで相殺しきれない場合は、最長3年間繰り越して差し引ける「繰越控除」を利用できます。
譲渡損失が大きければ、売却した年の損益通算とあわせて最長4年間所得税や住民税を節税できるので、対象とならないか確認しましょう。
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ここでは不動産売却で譲渡所得税以外にかかる税金の種類をご紹介します。
印紙税は、契約書や領収書といった契約文書に対してかかる国税です。
不動産売却では、売買契約書に対して売却金額に応じた以下の金額が課税されます。
<売買契約書に記載された契約金額に対する印紙税額>
100万円超500万円以下:1,000円
500万円超1,000万円以下:5,000円
1,000万円超5,000万円以下:10,000円
5,000万円超1億円以下:30,000円
※2022年(令和4年)3月31日まで適用される軽減税率適用後の金額
登録免許税は、登記手続きに際して必要になる国税です。
不動産売却では、抵当権が付いた不動産を売却する際、抵当権の抹消登記をするのにあわせて不動産1個につき1,000円を納税します。
たとえば2筆の土地に建物が1棟ある場合、不動産の個数は3個になるので登録免許税は3,000円と計算されます。
消費税は、通常の買い物やサービス利用時と同じように、支払った金額に対して10%を納税します。
不動産売却では、不動産会社に支払う仲介手数料や司法書士に依頼したときの司法書士報酬、測量した場合の測量費などに対して課税されます。
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不動産売却で譲渡所得が発生すると、譲渡所得税を納める必要があります。
売却価格が大きいと譲渡所得税も高額になりがちですが、売却したのがマイホームだったり相続した空き家だったりした場合には、特例を受けられる可能性があります。
特例にはいくつか種類があり、適用されると大幅な節税効果があるので、対象とならないか必ず確認するようにしましょう。
なお株式会社武甲住宅では、埼玉県秩父地域を主とした埼玉県北部エリアにある不動産の売却のご相談に応じています。
「まずは査定だけ」といったご依頼も歓迎いたしますので、お気軽にお問い合わせください。